未体験エリア釜風呂
ところが、釜風呂だけは入浴料金のみで利用できるにも関わらず、しっかりと利用したことがなかった。しかしこのたび、サウナへの助走として釜風呂に入ってみることにした。寒い時期に、いきなり入浴をすることで心臓に負担をかけてまい、体調を崩す、最悪の場合には命に関わる事故に発展してしまう可能性があるらしい。そろそろ私も歳なので、少しずつ体温を上げていかなくてはいけないのでは?ということを感じ始めていた。
そこで釜風呂を試してみることに。以前に少しだけ入ったことがあったが、その魅力が理解できないうちに上がってきた。サウナと比べて低温であり、テレビもないので退屈なことこの上ない。自らの中にしっかりとしたものを持っている人間でなければ釜風呂を楽しむことができないのではないか?ということを感じていた。
外湯に佇む孤高の建物
極楽湯柏店の釜風呂は、外湯の隅の方にある。少し屈まなくてはいけない扉を二枚開け、入場すると10人分の石を綺麗に削った椅子が電車のように向かい合っておいてある。他にあるものは手桶と洗い用のお湯、また桶いっぱいの塩だ。室内は飽和したかのような湯気で満たされており、気温はおおよそ50度程度だろうか。温度計もないのでそのあたりはわからない。どこまでも自らと向かい合う空間なのだ。入ったらまず、手桶を使ってお湯で椅子を洗う。直でお尻が接触する場所なのでなるだけ丁寧に洗っておきたいところだがあまり細かい事が気になる人は、銭湯自体があまり向いていないので私もあまり気にしない。
座る。以上終わり。なんだが、本当にやることがない。話す相手もいないしいたところで話をしていたらうるさくて迷惑だろう。瞑想でもするしかない。呼吸を一つずつ数え、丹田に気を集中する。丹田に気が集まってきたことを感じられたらその気を自らの体の弱っている場所へ少しずつ移動させてゆく・・・。などと怪しいことを考えるぐらい暇だ。
退屈さが敵か
時計もないので、時間の経過もわからない。しかし、しばらく(時間がわからないのだ)経つと、サウナと同じようにじんわりと全身に汗が滲み出してくるのを感じる。サウナの様にハードに攻め立てられるのではなく、あくまで自らの中から温まろうとする力を補助するかの様な気持ち良さだ。私はサウナでも時計にはこだわらない。自らが暑くなったときに上がり、入りたくなったときに入る。あくまで自らに対して正直で自由であり続けることがサウナライフを楽しむコツだと考えている。同じ様に釜風呂も、十分に温まったと感じたところで、外湯の縁側へ移動する。
時は12月中旬、外の気温は4度。水の体積が最も小さくなるとされる温度だ。
寒い。めっちゃ寒い。ここで縁側にいるのは無理だ。さっさとサウナへ移動しよう。
というわけで、釜風呂という新しい楽しみ方を手に入れたが、サウナの代替えではなく、釜風呂は釜風呂として楽しむべきだ。惜しいのは小さいところで、満席状態で他の人が入ってくれば譲らざるを得ない。十分に楽しむには平日が良いだろう。

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