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ジクサーSF250 乗り換えてのインプレ

ジクサーSF250

ジクサーSF250は、47歳で二輪免許を取得した私が初めて購入したバイクでした。初めてなので、レビューなどできるはずもなかったのですが、半年後にサーキットのためにZX-25Rに乗り換えたことで、ジクサーSFがどのようなバイクだったのかが少しわかってきました。改めて感想として振り返ってみます。乗っている時から雑誌やYouTubeで見かける評価とは少し違うのではないか?と思っていた部分も多くあります。


1. 重心が低く、安定している

ZX-25Rに乗り換えて、一番最初に感じたのは腰高感、逆にいうとジクサーのどっしりとした安定性でした。例えば、信号で停止した時に、道路の轍で足を着く場所が若干低くなっている場合などでも、グラっとくるというよりバランスを崩す前に持ち直せる感覚です。まっすぐ走るのが得意で、道路を流している時にはおそらく両手を離しても恐怖を感じることは無いのでは、と思える安定性があります。もちろん、10km/h以下の極低速や渋滞時でも、なんの気兼ねもなく運転できる感じでした。逆に交差点レベルのスピードでも若干曲がりにくかったのかな、と今になっては思うこともあります。UターンはZX-25Rの方が簡単だと思います。

ジクサーSF250 ブレーキペダル
低い場所にあるペダル・ステップ・マフラー。乗りやすいが路面と干渉しやすい

2. 運転しやすいエンジン

クラッチを2500回転ぐらいでミートしてアクセルを開けていくと、リニアに加速して十分に交通をリードできます。また3000回転ぐらいからはどこからでも加速して、盛り上がる感じはありませんがそのまま9000まで回ります。さすがに9000を超えると苦しくなってくるのですが、クラッチミートからレブリミットまで一本調子で回せる感じと言えばいいでしょうか。燃費はもしかすると1タンクで東京大阪が可能なのではと思うほど伸びます。何にも考えなくても相当伸びます。ミニサーキット走行でもエンジンから熱を感じたことがないほど、熱を持たないエンジンです。高速道路も十分走れます。120kmぐらいまでなら簡単に伸びるので追い越しもできますが、走行車線をゆったり走るのがいいですね。振動も、質のせいだと思いますが、ZX-25Rより気になりません。ただ、爆発的な加速はありません。オートバイに体を置いていかれるような、爆発的な加速を求める人には向かないと思います。


3. 軽い操作系と取り回し

クラッチは軽いです。ZX-25Rのアシストスリッパークラッチと比較しても、手袋の違いの方が大きいと思うほど軽いです。フロントブレーキが聞きにくいというレビューをいくつか目にしましたが、サーキット走行を含めてそういう感触はありませんでした。シフトチェンジもコツコツ軽快、しっかりしていながら軽い操作感です。低い重心と軽い車重、高めのハンドルで取り回しは自転車感覚です。すみません、流石に言い過ぎですが、めっちゃ楽です。押してバックする時も、左手でハンドルを握り、クラッチを操作しながら、右手は大きめのタンデムバーを握って後ろ向きに押せるので楽です。外見上の目立つ特徴である、スイングアームフェンダーの効果は絶大。ZX-25Rに乗り換えた時にはその汚れっぷりに絶望しました。

ジクサーSF250
存在感のあるスイングアームフェンダーは泥除けの効果抜群。

4. 楽なポジション

Moto GPカラーのカウルをまとっていますが、ステップは低めで前方、ハンドルは高くて近く、楽々ポジションです。下半身は特に膝から下の収まりが良いです。アクセルの引きしろが少し大きめにとってあり、全開するには少し苦労します。逆に全開から全閉じ、前ブレーキをかけるのも少し苦労します。カウルは下半身は効果的ですが、上は飾りです。メーターバイザーみたいなもんです。普通に乗るとカウルを上から覗き込む姿勢になります。また前方向が短いので、メーターは視線を大きく動かす必要があります。メーター自体は老眼にも優しい、超大文字くっきり明るいバックライト液晶仕様です。何気に時計が見やすいのもありがたい。

ジクサーSF250
ハンドル位置は結構高め。バイザーは低くてタンク程度の高さしかない。

6. 安い

定価が安い上に、ほとんどの店は値引きしてくれると思うのでめっちゃ安いです。イニシャルコストが抑えられたことで、私は色々遊ぶことにお金を回せるようになりました。その結果サーキットに行くようになり買い替えになるわけですが、ジクサーでなければサーキット走行を始めていなかった可能性が高いです。

ジクサーSF250とゴールドウィンツーリングリアバッグ78
ゴールドウィン ツーリングリアバッグ78を搭載してサーキットまで自走

とまぁ、良いことばかりのように思えますが、この良い部分でもある重心の低さ、楽なポジションがスポーツ走行をする上でのネックになっていたので、解消するには結構な投資が必要だと思います。そうすると結局CBR250RRと価格が同じぐらいになってくるわけで、だったら最初からそっちの方がスポーツ走行の幸福度は高いんじゃないかと思います。


グースの再来のように捉えている人もいますが、カミソリのような切れ味と軽さとパンチ力のあるエンジンで大排気量車を狭路や降りで追い詰めていくようなイメージのバイクではないです。ステップとマフラーとブレーキとスタンドを交換してサーキット入門マシンに、という意見も見かけましたが、そこまで投資して、元の良いところを抑えてまでサーキットの走りを求めるのは、入門ではなくマニアの遊びだと思います。それを否定はしませんし、楽しいとも思いますが、入門だったら最初からCBR(ry


ジクサーSFはサーキットや峠をバリバリに攻めて走るようなバイクではなくて、Moto GPのかっこいいスタイルで装った、日々のコミューターとして使い勝手が良く、旅先で峠が現れるとそれなりに楽しめる、そして安い!といった、何にでも応えてくれそうな、とても出来の良いバイクだと思います。私もサーキット遊びにハマらなければ乗り続けていたと思います。

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