極楽湯は極楽だ。生地獄という言葉に対して生極楽という言葉を与えるとすると、極楽湯が真っ先に思い浮かぶ。すでに数え切れないほど極楽湯に来ているが、極楽を味わえなかったことなど一度もない。狂った時には10日連続で極楽を楽しんだことすらあった。
日曜日の午後2時30分に入場。サイクリングでさっと汗を流してからたどり着く。妻と娘がでかけているために、昼食をまだとっていない。極楽湯はこの門構えからして風情がある。無粋に見えるノボリさえも極楽湯というコンテンツの前では天女の羽衣のようだ。
100円返却式の下駄箱へくつを入れる。混雑具合はおおよそこの空き状況で判断ができる。今日はなかなかの混雑だ。券売機に会員カードを入れ、入場券を購入。会員価格で700円。安い。この会員カードは無料で作れて、しかも定期的におトクなチケットが送られて来る。なんという気配りか。個人情報を差し出すのはイヤだとか、極楽湯のためなら喜んで差出そうではないか。ぜひマーケティングデータとして活用し、さらなる極楽を目指していただきたい。
話が逸れた。チケットをカウンターへ渡してリストバンドを受け取ると、まっすぐに食堂へ向かう。そう、2時半で食べていないのでお腹が空いている。とても我慢できそうにない。入浴前の食事は良くないというが安心してほしい。時間はまだまだある。
メニューに目を通すと、期間限定の天丼ソバそばというものがあった。かき揚げ天丼とざるそばのセット。お新香が付いてくる。これにしよう。
食事が届く。じつに美味しそうだ。急須に入っている暖かいものは、蕎麦湯ではなくだし汁だ。天丼にかけて楽しむという意図らしい。しかし、かける前にまずは天丼をサクサクと楽しむ。予想通りかき揚げが美味しい。そばを一口。こちらは安定したクオリティと言えるだろうか、感動するほどではないが、十分に美味しいと言えるレベルだ。
添えてある薬味を添えて天丼をいただく。いうまでもない、うまい。それをさらにだし汁をかけていただく。さらにうまさが際立つ。そばと天丼、どちらもいただいたら、お茶を一服する。その後は風呂へ、は、すぐには向かわない。さすがに食後すぐに風呂へ向かうのは健康によくないのでここは極楽湯の誇る畳の間で一休みすることにする。
漫画喫茶もびっくりの量の蔵書がある休憩室。ここはリクライニングシート、普通の椅子、畳の3種類があるが、迷わずに畳へ向かう。このだらだらとした感じが良いのだ。『キングダム」の27~30を一気に読む。おおお、秦国の運命やいかに、すでに風前の灯火ではないか!
かなりいいところだが、約1時間が経過してしまったので浴場へ。混雑してきてしまった。まず、ここでもスタンド型シャワーでざっくりと体を洗う。ここは慣れているので初めての銭湯のように周りを見渡したりはしない。内湯は炭酸風呂だが、ここはたまにお酒のお湯になっていることがある。大人は良いが子供が入れなくなるのでこの企画は子供を連れてくるにはいまひとつ向いていない。その後洗い場に座り、髮・体の順に洗う。体を先に洗ってから髪を洗うと、体についた髪の毛を全て取らぬままにサウナへ向かってしまう可能性があるからだ。
ひと通り体を洗うと、お湯を通して絞ったタオルで体から滴をとり、もう一度タオルを絞ってサウナへ向かう。サウナには体をよく拭いてから入ってくださいという注意書きがある。実はあの理由が私にはよく分からない。ベンチが濡れるからという人が居るが、同じかそれ以上の汗をかく。私が思うには、濡れていると体が乾くまで温まりにくいからだ。手早く温まりたい時にはよく拭くと早い気がする。
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| 画像は極楽湯柏店ホームページより引用 |
サウナの時間は決めていない。水風呂に入りたくなったら出ることにしている。一度目は約15分で出てきた。冷水機で水を飲み、正面にある立ちシャワーで汗を流してから水風呂へ向かう。当然水風呂でもかけ水をするが、シャワーを浴びる分、少なくて済む。なるだけエレガントに一連の所作をこなしていきたいのだ。
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| 画像は極楽湯柏店ホームページより引用 |
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| 画像は極楽湯柏店ホームページより引用 |
仰向けになり、しばし血の巡りを感じたら、岩風呂へ向かう。外湯の大きなお風呂は岩風呂と檜風呂があり、檜は少し私には熱いので最後に楽しむことにしている。岩風呂は岩のちょうどいい場所を見つけて背中を押し当てるのがなんとも気持ちが良い。肩こりなど一撃で無くなる、というか私は肩が凝らないんですけどね。またここの外湯は、壁はあるものの風を感じられる。体は暖かく、頭は冷える。頭寒足熱、まさに極楽と言えるであろう。ちなみに女湯には寝湯があるらしい。
外の風で体を乾かしたら、2巡目のサウナへ向かう。
同じ手順を繰り返し、4巡、約90分も楽しんでいるうちに日が暮れてしまった。名残を惜しみつつも、もう1巡ぐらいしたいと思うところでやめるのが極楽だ。
ここ極楽湯には、私が入ったサウナ、水風呂、岩風呂、檜風呂のほかに釜風呂(蒸し風呂)、電気湯、ジェットバス、薬湯もあるが、それらはあまり使わない。個人の嗜好に対するふところの深さも極楽湯の魅力。お好きな方にはどんどんと入って欲しい。
体がまだ湯の感触をまとっているうちに、自転車に乗り約10分間の家路につく。この自転車が外気浴効果を高めていることは間違いない。外に出てまで楽しめるとは、極楽湯の極楽っぷりには敬服するばかりである。




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